日別アーカイブ: 2020年6月8日

ただいま I’m home. 

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 ようやく戻って参りました、lawbaです。
 休養中もサイトを訪問し続けてくださった方々、ありがとうございます。そしてご心配をおかけしました。皆様がこの期間、健やかな日々を送れていたならうれしいです。
 私のほうはお腹の痛みもほとんど治まって、1人での外出はまだ出来ないのですが、手すりを使わずに階段をのぼれるくらいには回復してきました。今回の事の顛末(:てんまつ)は「半世紀生きている人間でも、こんなに阿呆でいいんだ!?」という反面教師としては、お目汚しながら投稿1回分くらいの価値はあるかもしれませんが…。いつか話題を思いつかないときか現実逃避したくなったときにでもお話ししますね。
 今は、どうにもアメリカで起きていることが気になって。それで頑張ってサイトに戻ってきたので、個人的なお馬鹿話は後回しです。

 気になったとは言っても、現地をこの目で見ているわけでも英語に堪能なわけでもない。何かの専門家ですらない身に書けることなどほとんど無いわけですが。いい加減なことを書くわけにはいかないしね。ただ、先のアメリカ大統領選後の数年間ずっと気に懸かっていた日本の小説を、「もっと早く読み返していれば・・・」と後悔しながら今やっと再読しています。
 タイトルは「虐殺器官 Genocidal Organ」、作者の伊藤計劃さんは2009年に若くして亡くなられました。検索してみたところ2012年に英語訳、おそらく映像化に併せて2018年頃にフランス語訳、スペイン語訳が出版されたようなので、海外でもお読みになった方がいらっしゃるでしょう。ちなみに映像化作品は技術的に見応えのある良作ですが、映像化にあたって宗教等デリケートな扱いを要する部分は結構カットされてしまっていて、個人的にはその点が少し残念です。主人公のシェパード大尉は死ぬことや生きること、人の権利、ことばの持つ力とその怖ろしさについて対話や自問自答を幾度も積み重ねていて、任務(現実)の影響も加わってエンディングへと帰結していくので、原作において宗教観や哲学は不可欠の構成要素、というのが私の読解だったからです。

 Black Lives Matter が気になると言いながら日本のフィクションの話をしていることで、読んでくださっている方を苛々させてしまったでしょうか。しかし今アメリカで起きている、そして世界各地でも起こりつつある状況は、この小説の結末とどこか重なっている気がして。
 「現実世界の私達は、小説とは違う結末を掴み取ろう。」きっとそう呼びかけたくて、今日の投稿を綴っています。
 文章として送り出すことは正直に言うと怖いけど勇気を出して書きます。

 Black Lives Matter じゃない。
  All Lives Matter ですよね?

 英語の文法的に間違っているかもしれませんけど。洩れ伝わる人々の様子から、既にそのように行動している方々も多いと思われます。皆様に感謝を。そして、どのような事情であれ、今回のことで命を落とされた方のご冥福をお祈りします。
 負傷された方も多く施設など建物の被害もあって、不安が拡がっていることと思います。物事を考え、他者と対話できることは人間の利点です。どうか、すべての生命を尊重して行動してください(難しいことをサラッと言ってしまったことはごめんなさい)。
 人種、貧富の差、能力的な優劣。そのようなものに囚われず、すべての他者と対等に向き合いましょう。貧富の差なんて移ろうもの。能力の差も現在だけ切り取る意味は無いです。過去には現在とは違う状況があったのだし、未来でどう変わっているかは判らないのだから。
 すべての他者と対等に。私も100%出来ているわけではないけど、そのように在るために自分を律する努力を続けます。努力しなくてもその振る舞いが自然である、という日を迎えるまで。

 穏やかで健やかな日々を皆が取り戻せますように。