6月末に「次回は食べ物の話を…」と書いておきながら延び延びになっていました。有言「不」実行ではいけませんね。今宵こそは食のカテゴリの話をしましょう。
台所に復帰して2ヶ月ちょっと。作って食べて作って食べて疲れて休んでまた作って食べて、起きて活動している時間のほとんどを食べることに費やしている気がします。
怪我ののち初めて台所に戻った時のことは一生忘れないでしょう。チキンピラフを作ろうと調理台の前に立ったのですが、手順がすんなり出てこなくてハッとしたのです。コロナに劣らぬほどの高熱を出したので「もしや脳に損傷が…!?」と一瞬冷やりとしましたが。1ヶ月以上も調理しなかったのは結婚後初めてのこと。その結果、私の脳の中で調理に関する知識や記憶が、PCの長期間アクセスしないファイルのように奥へしまわれてしまった、そんな感じでした。知識や記憶を取り出す回路を再び繋げればいいのだな。この作業をするときはその先のあの作業に気を配るなど、ひとつひとつの手順を思い出しながら調理するのは懐かしくて楽しくて嬉しかった。それと、脳が再び目ざめていく感触がとても新鮮で興味深かったです。
そういえば怪我について何の説明もしていませんでした。読み返してみたら「お腹の中」の「阿呆な」怪我とだけお伝えしていて、どうでもいいのに微かに気になる微妙な言い方だったかもしれません。読んでくださった方をモヤッとさせてしまっていたらごめんなさい。
簡単に説明すると、ストレスから普段食べない(食べられない)かなり辛いカレーを食べる >消化器官系が脱水症状を起こすも気付かず >うずくまった状態から勢いよく立ち上がろうとして >グキッと体の中から音が聞こえた!? >腸腰筋が肉離れ >炎症・高熱 という事態だったようです(たぶん)。半世紀も生きてきてこれですよ、阿呆でしょう……。40度越えの高熱は炎症のせいだけではなく自分への「なんじゃこりゃあぁぁ!」もあったと思う…。自分を駄目な人間と感じていて辛いというかた、こんな50歳もいるので安心して肩の力を抜いてね。今のあなたでいい。もしも駄目な自分が客観的に事実でも、なりたい自分に向かって少しずつ歩いていけばいい。寄り道や後戻り、休憩をするのもOKです。
それで、と突然話題を戻すと、「復帰後どんな料理を食べたか」でしたね。相変わらず本題に辿り着くまで長くてごめんなさいね。ベッドに横たわったまま「台所に立てるかな立ちたいな」と思い始めた頃から、私の頭の中の「作って食べたいものリスト」はどんどん更新されてとても長くなりました。
チキンピラフに始まって、里芋のそぼろあんかけ、梅にゅうめん、赤魚の煮付、トマトともやしの玉子炒め、豚とりんごの煮込み、ミートソーススパゲティ、薄味の野菜の煮物、鶏と野菜のスープ、肉じゃが、スパゲティナポリタン、モ・モ・モッツァレラ、イカとピーマンのバター炒め、味噌汁いろいろ、etc.
あれもこれも懐かしい食べたい作りたい!食欲に手を引かれるように復活して、四肢も体幹もすっかり鈍ってしまった身体でリストをひとつずつ消化しています。現在形です。食いしん坊の私のリストは本当に長くて、まだ終わらない。水害もあったし今年の梅雨は長く厳しかったので、食材の流通が例年と違っていますしね。流通と言えば、西瓜(の白いところ)の味噌汁がそろそろ季節だなあ。味噌汁はいつもは白系だけど、具が西瓜の時は嗅覚の導きで赤味噌を少し加えます。西瓜だけで勝負するのもいいし、大葉の千切りやとうふを合わせるのもいい。味や触感は冬瓜とほぼ同じで、赤みが少し残るように取ると目に楽しく自然な甘みがほんのり感じられるのも嬉しい。…夜中なのにお腹が空いてしまったのでこの辺りで。
日本の夏も本番を迎えました。毎年の熱中症に加えてコロナの感染拡大も気になるところ。身体の声を聞く、すなわち今の身体に必要なものが解るようになるためには、五感の働きが適切であることが大切です。運動や食事で五感を鋭くして、体を健やかに保ちたいものです。