日別アーカイブ: 2021年9月21日

夏の台所 2021

Reading Time: < 1 minute

 
 皆様、こんばんは。お変わりなくお過ごしですか? 私は夏の疲れも取れた今ぐらいの季節が1年で最も体調が安定するので、元気ですよ。眠気と頭痛が少し続いて気になりますが、涼しくなってきたので朝までぐっすり眠れる日もあります。ありがたいことです。
 今日はこの夏の食にまつわるこぼれ話、お付き合いくださいませ。

暑いのは苦手です
 夏の台所って、暑いですよね。
 暑い台所で火を使い調理するのは苦手です。調理のための耐熱エプロンがあったらいいなと思ってずっと探しているのだが、なかなか機能と好みの折り合うものが見つからない。とりあえず、体力が落ちていてコンロの火で胴体に負荷を感じる日は、盾さながらに蓋を構えて鍋をかき混ぜたり。
 夏は出来るだけコンロの前に立たないのが肝要です。物事も鍋も、時には斜めからのアプローチで正解という場合もありますよね。

もしもの備え
 夏の…とタイトルに書いておきながら春からの話なのですが。4月後半に第4波と称されるコロナ感染のピークが来た時に「いよいよ我が身にも降りかかるかもしれない」と覚悟して準備したもの。
・ゼリー飲料 マルチビタミン、プロテイン、クエン酸の3種類 各1箱(6個入)
・お湯を注ぐだけのカップスープの素5種類 100食
・スポーツドリンク500mlを6本
 余計な備えかなと迷ったのだけど。東京や大阪などの大都市や周辺で、保健所の確認の段階でパンクしつつある話などが聞こえてきた頃だったので、高熱の時でも摂れそうなものに特化して補充しました。補充と書いているのは、これに加えて、災害用のローリングストック(缶詰、パックご飯、レトルト食品、インスタント味噌汁、長期保存パンなど)もあるからです。…なんか台所狭く感じるようになってきた。ごみだけで120cm幅のロッカーひとつ分くらい保存場所が必要で、ローリングストック(汎用)(コロナ特化)が加わって。住み始めた頃とはライフスタイルが変わってしまいましたね。変わらざるを得なかった。…まあ、生き続ける間にはそういうこともあるさ。
 それから夏の間に、
・果物や野菜の無糖のピューレ1箱(20個入)
・バターのクッキー1箱
も買い足しました。体に負担の少ない甘味も、いざ臨戦態勢になって強ばった心身を休ませるには必要ですよね。

 熱中症になりやすい私が少し予兆を感じると予防のためスポーツドリンクを飲んでしまったり、スープやピューレを食材に使用したり、普通のストック品に扱いは変わりつつあります。しかしながら最近クエン酸のゼリー飲料が役に立つ場面がありました。ワクチンを接種した夫に1日に1個ずつ飲んでもらった形です。1回目は怠さ、2回目は軽い発熱があって2日ほど安静に過ごしてもらいました。3日目に平常に戻った時はホッとしましたね。全部飲んでしまったので、また補充しておこうと思っています。

繊細なのも困りもの・・・
 困っています…。ずっと食べていた卵が近くのスーパーマーケットに入荷しなくなって数ヶ月、次の定番の卵をどれにするかをまだ決められません。
 たかが卵と言うなかれ。「どの卵でも一緒」ではないのです。匂い、味、中身を保護している殻の状態、価格、供給量など、全てが(個人的に)無難にクリアされている卵はそうあるものではなく、以前食べていた卵とは本当に稀な出会いだったと惜しんでいます。特別なものではなく至って普通の白い卵だったのですが、私にとっては運命の卵でした…。カムバーック!
 (個人的に)の部分がね、個人的に大問題なんです…。鶏が食べている餌によって匂いが変わってくるし、当然味も違う。殻も然り、餌だけでなく生活状況も影響してきます。殻を割るときの力の入れ具合などはこちらがアップデートすれば済む話ですが、匂いと味に関しては如何ともしがたく、このままではシンプルな目玉焼きやゆで卵が食べられなくなってしまいます。生や半熟で食すこともあるので匂いも味も妥協したくない。由々しき事態。以前の卵がぴったり合い過ぎたのよ…。
 とはいえ手に入らないものは入らないのだし、どこかで折り合いをつけるのが幸せへの道。店に並んでいる数種類の卵をローテーションしながら匂いと味の自分の好みを少しずつチューニングしている状態です。時々、「人間の体の何%くらいがたんぱく質なんだろうね?」と逃避思考をして遠く心を休ませてみたり。
 運命の存在との出会いは良いことばかりでもない。

密かな企み、破れたり・・・!
 この夏は桃が話題に上ることが多く、ニュースの見出しで見かけると桃好きの私はホイホイと釣られて読んでしまいました。オリンピックではソフトボールに続いて野球のドミニカ共和国代表の皆様も桃を楽しんでいただけたようで、ニュースを読みながら心がほわっとしました。それから、お盆ごろ配信された文春オンラインの「福島桃大使 譚」はとても愉しく拝読しました。話の内容も素晴らしいうえに、文章が! 何とも言えない可笑しみ(「いとおかし」のほう、=ユーモアで概ね合ってるかな?)があって、行間の含み、伝わる情感、文章のプロはさすがですね。脳がシュワシュワしました。
 さて、巧みな文には仕上げられそうもありませんが私的な桃話をひとつ。
 あれは3年前、その年は個人的に西瓜がフィットしていて何となく桃を食べそびれ、お盆を前にようやく初物という夏でした。日頃利用しているスーパーマーケットでは、桃は1個のバラ売り、2~4個のパック、10数個の箱で売られています。桃の出荷を采配している団体が発行する名刺大の販売促進用の紙片があって、パック売りだとスーパーがそれを入れてくれるのですよ。そういえばじっくり見たことなかったな、と気付いてその時初めてその紙片を読んだのです。表には桃の写真と団体名、そして裏面には、なんと10種以上に及ぶ桃の出荷時期表が印刷されていました。全部食べたい・・・。
 悪戯な好奇心のスイッチがONになったものの既にお盆前、シーズンの半分を過ぎていてその年にはもう食べられない桃も。そこで「この紙片にある桃を来年はすべて食べよう」というわくわくする計画に ふくしま桃チャレンジ と名付けて密かに胸にしまったのでした。
 次の年、おととし。苺のシーズンが終わる頃には早くも桃が頭の片隅にチラついて。そわそわしながらさくらんぼのシーズンを越えて、いよいよ7月初め、首尾よく桃を手にしました! そんなに早い時期に桃をお迎えしたのは人生で初めてかも。「順調順調。このまま週に1回、1個売りか2個パック購入で完走出来たらいいな」と目論見つつ桃食を重ね、8月。店頭で桃に伸ばした手が止まりました。?あかつき・・・あ。なんてこと。私の密かな企み ふくしま桃チャレンジ は「紙片に載っている桃を全種類、ワンシーズンで制覇」だったのに、「毎週1個、桃を食べる」目標と勘違いしていた! 思い返してみるとシーズン初めに桃を手にした時、浮かれた調子で「毎週1個か2個」と頭にメモした記憶が。この4週の間に食べた桃がどの種類かも最早わからず…。
 ふくしま桃チャレンジ1年目、失敗!
 さて去年。コロナで気分も沈みがちな日々を送る中、夕飯後に「今日は桃があるよ~」と幸せ気分で食卓に着きなおし、いただきますとひと口。じゅわ~と広がる香り、甘味・・・・・あっ。よみがえる記憶。あんなにわくわくした秘め事をすっかり忘れていたなんて…。
 7月中旬、ふくしま桃チャレンジ2年目、失敗!
 なんという駄目っぷり。立場上、家族に苦言を呈したり稀には叱ったりすることもあるのに、秘密のチャレンジとはいえ完遂できなくては、今後私の言葉に説得力が無くなってしまう。団らんの場を笑顔で乗り切って後片付けを済ませた私は、桃のパックから紙片を取り出し、献立を記録しているスケジュール帳に貼り付けました。思いついた年にこうしておけば良かったのよ。来年、3年目の挑戦を最後にする。来年こそは達成する!
 そして迎えた2021年7月。店頭で再会した桃のパックには「福島県産 桃」のラベルが貼られていました。棚のポップにも「福島県産 桃」。種類がどれか判らないけどこのくらいで慌てたりはしません。周囲に目を遣るとありました、壁際に桃の入っていたダンボールの箱が。そこにデータが印字されていることを買い物歴の長いワタクシは承知していたのです、おほほ。
 箱の側面には「産地 〇〇」「出荷時期 7月上旬」そして「種類    」んー? 上の箱も下の箱も「種類    」。全ての箱の種類の欄が、 空白 ・・・。終わった…。
 ふくしま桃チャレンジ3年目、失敗!
 理性と注意力と社会性を総動員して無事帰宅し、夜。桃を食べながらこの3年間の秘め事について夫にぽつぽつと告白しました。聞き終えた夫は慎み深くひと言、「その紙片の団体の店に行くか取り寄せれば?」と。「・・・そうじゃなくて。いつものスーパーの店頭で出会う桃で制覇するってところにロマンがあるの!」と力説してみたものの、「ああ、そういうルールもあったんだ。先に言ってくれないからわからなかったよ~」なんて言うのです。…連続する正論はもしかして、桃チャレンジをひとりで楽しんだ意趣返しかな? むむっと鼻白んだものの、おいしい桃を前につまらない気分もすぐ消えてしまいました。桃は偉大なり。
 今年は結局6種類の桃をいただきました。どれもとてもおいしかったです。8月後半から9月の桃はサイズも大きくなってきて、幸せ感がさらに増えますね。
 巷にはコロナが溢れ不安を感じずにはいられない毎日ではありますが、暮らしの中に無理のない範囲で、また小さな楽しみを作り出していこうと思います。次のゲームは家族と共有にしようかな。